確率のちょっとしたお話

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こんにちは。お団子にゃる高校監督のけんたろです。

年が明けてからひと月以上経ってしまいましたが、今年も全力でハチナイを楽しんでいきますのでよろしくお願いします。

 

さて唐突ですが、少し数学の話をします。

結果が成功か失敗のいずれかである試行(成功確率はpで一定とする)を独立にn回行ったとき、k回成功する確率は以下の式で求められる。

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これは二項分布とよばれるもので、高校の数学に出てきます(今もあるよね?)。

 

例えば、コインを投げて表が出る確率を50%とするとき、10回投げると表が何回出るでしょうか。上記の式を用いてグラフにすると以下のようになります。期待値通りちょうど5回出る確率は、25%程度しかありません。

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では本題です。

SSR確率が5%のガチャを100回引いたとき、SSRがn枚出る確率はどれほどでしょうか。計算すると以下のような分布になります。

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期待値通りの5枚出る確率が最も高く約18%ですが、4枚の確率も実は同じくらいあります。2枚以下となる確率は約12%です。1枚も出ない確率も0.6%ほどあります。

私自身もそうですが、ガチャを回すと結果によってどうしても一喜一憂してしまいます。ただ、期待値通りに出る確率は実はそれほど高くないということを心に留めておくと、爆死した場合も切り替えていける…かもしれません。長い目で見れば、爆死した回数と同じくらい、勝利した回数もあるはずです。

 

本題その2です。(本当に書きたかったのはこっち。)

打率が4割に設定されている選手が500打席消化したとき、実際に記録される打率はどれほどでしょうか。(問題を簡単にするため四球などは省き、ヒットかアウトのいずれかしか出ないものとします。)

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このような分布になります。設定打率のプラスマイナス2分、つまり.380~.420に収まる確率は約66%です。.380以下の打率、もしくは.420以上の打率になる確率もそれぞれ17%くらいあります。

(余談ですが、このくらい十分な試行回数がある場合は正規分布というものに近似することができます。上記の問題における95%信頼区間は.358~.442です。)

では、試行回数を変えるとどうなるでしょう。上記と同じく設定打率4割の選手に、100打席、500打席、2000打席与えた場合にそれぞれ記録される打率の分布は以下のようになります。

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このように、100打席程度ではばらつきが非常に大きく、また2000打席まで増やしても、500打席と比べて極端に4割ぴったりに近づくわけではないことが分かります。

 

さて、なぜこのような話をしたのかといいますと…

私自身も含めて、熱心なハチナイユーザー(特に上位層)は、起用する選手やURのリンクを選ぶ根拠の一つとして、しばしば実際に試合をこなしてデータをとるといったことを行っています。CPU相手(姉妹校相手の練習試合以外)であれば最大100試合(=500打席程度)の個人成績が残りますので、それを参考にする方も多いと思います。その際に、いわゆる上ぶれや下ぶれといったものがどのくらい発生するのかということを認識しておくと、選手をより正確に評価する一助になるかもしれません。

もうひとつ、重要な点があります。上記の分布は、あくまでも真の確率が一定の場合の分布です。ゲーム中の実際の試合では、ランナーやイニング等によるスキル・才能の発動の有無や、相手投手のスタミナ消費などにより、「真の打率」自体が打席ごとに異なりますのでご注意ください。

 

今回は以上です。ではでは、バレンタインランクマ頑張りましょう。

 

※ 筆者はそれなりの勉学は積んでいますが数学や統計のプロではないので、間違っている点があればご指摘いただけますと幸いです。

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